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考古学勉強日記
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 常識考古学
 2005年11月18日 (金) 00:29:05

学史に詳しい方ならご存知だろうが、喜田貞吉が提唱したこの概念。
抜粋するのが一番分かりやすい説明となるだろうか。
石器時代遺物と宋銭との共伴事例を「日本石器時代の終末期に就いて」で挙げた喜田は以下のように述べる。

当時の器物の後世に遺物として保存せられるものは極めて僅少で、
而も其の中に就いてそれがたまたま発見せられ、
研究者の俎上に上されるものは更に更に僅少の数なるに過ぎぬ。
而もそれのみによって当時の文化の推移を知らうとする事は極めて困難な事業である。
実物をつかまねば物が言えぬ考古学はさてさて不自由なものである。
余輩は常識考古学を提唱したい。


まあ結論から言えば僕は常識考古学は大嫌いだ。
考古学とは過去の人類の遺したものからその社会を復元することを目的とする以上、僕の考古学は遺物・遺構を中心とした帰納法的なものでありたいと思っている。
更に、遺物・遺構から考えるのであって遺物・遺構は答えではない。
遺物がこうだから、といった犬が西向きゃ尾は東、なんて考え方は危ういと思うのだ。

更に言えば、「常識的に考えれば」とか「普通に考えれば」とかそういったものも嫌いだ。
その常識ってのは先の時代でも常識たりうるか、普通ってのは当時の人々の普通であるか。
そういった検討を抜きにした安易な推測を戒めるのは、学徒として当然の事ではなかろうか。

どこかで書いた気もするが、僕は学問とは批判的な視線をもっていなければ駄目だと思う。
言い換えれば、必ず検証という作業を必要とするものであると思う。
それはアプローチ方法が遺物であれ遺構であれ民族誌であれ理化学であれ、何でも同じだ。
僕が民族誌を使う人・方法を好まないのはそういった検証作業の甘さ、検証という作業に対する姿勢を感じられることが少ないからだ。
遺跡から発見されるものから社会を復元することにはもちろん限界があると思う。
現在の未開社会の人々の事例を観察してそれを民族誌事例として援用するのは結構だ。
しかし、その援用が妥当なものであるかの検証を欠かしては、常識考古学となんら変わるところはないのではないか。
また、そういった観点からも、「普通に考えれば」などといった考えが嫌いなのだ。
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 COMMENT

  Title...no title  b y Kanon
常識考古学っ常識的に考えてよろしくないですよね~(笑
そのとおり思います。
だから認識できうる限り
常識思考の排除に努めたいですね。

喜田先生の文章、
抜粋部分だけでは最後の二行が
全くとんちんかんですね。
2005.11.19 (22:08) * URL [EDIT]
  Title...返事長い・・・  b y すぎわら
焼却希望とのことなので返事二つともこちらに。

喜田先生の文はあれだけじゃわかりにくいですね。
ミネルヴァ論争全文持ってるので月曜に貸しますよ。
そして是非縄文の世界にっ!
まあそれはおいといて、学史理解は重要ですよ、やっぱ。

バトンと言うのはある人からある人にバトンのように回るのです。
別名をネット上のねずみ講とも(笑
バトンが回ってきたら、その質問に答えて他の人に回す、と。
そんな感じで伝わったでしょうか。

来年の事は色々悩んだのですが、ってか今も悩んでます。
ただ、好きな人から「やりたいようにやればいい」て言葉をもらったので、
ちょっとそれに勇気付けられてたりもします。
心配かけさせて、ごめんなさい。

彼女とのコントは、ねぇ・・・
まぁ若気の至りって言うかなんていうか
2005.11.20 (00:18) * URL [EDIT]
  Title...no title  b y Kanon
「ミネルヴァ論争」
あんまり長い間お借りしているので
1忘れているわけじゃありません
2なくしたわけでもありません
3やっと読み終わりました
4かしてくれてありがとう
とだけまずはご報告しておいて
感想文はまたあとで述べます。
2005.12.09 (23:48) * URL [EDIT]
  Title...ミネル…パ!  b y すぎわら
1僕も覚えてます
2なくされたら泣きます
3あれ結構読むの時間かかるよね
4読んでくれてありがとう

感想聞かせてもらうの楽しみにしてます
2005.12.11 (02:52) * URL [EDIT]

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