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考古学勉強日記
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 弥生農耕の起源と東アジア(1)
 2006年02月12日 (日) 20:43:06

歴博の科研費プログラム
弥生農耕の起源と東アジア-炭素年代測定による高精度編年体系の構築-
の平成17年度研究報告会に行ってきました。
-移りゆくまま-』のKanonさんと一緒に行ったので、
弥生側からの視点は彼が境界域をやってるので投げっ放しにして、
僕は縄紋側からの視点とか土器屋さん的視点から書いてみよう。


今回の研究報告のプログラムは
・AMS-14C年代測定の現状とその概要(今村峯雄)
・国立歴史民俗博物館における炭素14年代測定実績(坂本稔)
・日本産樹木年輪の高精度年代測定(尾嵜大真)
※鳥海神代杉の炭素14年代とIntCal04(櫻井敬久)
・九州の縄文晩期から弥生前期の実年代(藤尾慎一郎)
・中四国・近畿の弥生前・中期の実年代(春成秀爾)
・東日本の縄文晩期の実年代(小林謙一)
の自然科学・考古学3本ずつの6本の報告と、1本のコメントでした。

小林謙一らが中心となった「
縄文研究の新地平」は読破済であったり、
去年の内に一通りの年代測定法の基礎をやっておいたので、
わりとAMSによる研究にもすんなり耳を傾けることができました。
AMSはAccelerator Mass Spectro-metry(加速器質量分析法)の略で、
簡単に内容を説明すれば今までの放射性炭素年代を飛躍的に進化させたもの。
試料の必要量も少なくなり、精度もあがるすぐれもの。
縄紋時代研究においては先に挙げた様に小林謙一らが精力的に導入している。
例えば集落研究とか、絶対年代による編年とか。

炭素14年代で導き出される数値は
現在まで大気中の二酸化炭素濃度が一定であると言う前提にたったものであるため、
当然実際の数値とは誤差が生じる。
それを較正するのが年輪年代法などによったIntCalであり、
それの日本ローカルバージョン(JCal)を作ろうともしているようだった。

Kanon君と帰りの電車とかで話した事なんだけど、
突帯文系土器の最終段階の夜臼式、
それにその前段階の山の寺式を弥生土器にカテゴライズしてた事に驚いた。
僕は水田遺構を弥生時代開始のメルクマールと考えているので、
それは嬉しい方向の喜びだったけど。
どうにもこうにも「縄文水田」という言葉には違和感を感じてならなかったので、
「これはしたり!」て膝をうつ感覚だった、別にうたなかったけど。

時代区分てのは難しいもので、
研究者によってその区分が違っていることは多々ある。
僕の場合はそれぞれの時代の開始を
・縄紋:土器の出現
・弥生:水田の出現
と捉えているけれど、
わかりやすい、つまり「共通理解をえやすい」てのが理由としてある。
特定の遺物・遺構をどの時代にカテゴライズするかではなく、
その遺物・遺構、そしてそこから見える社会・文化の変遷を考えたいからだ。
その為にはその前段階の余計な議論は正直な話面倒だから避けたいし、
一定の共通理解さえ得られれば時代の名前なんてどうでもいいとも思ってる。

だから夜臼式を弥生土器とすることに際しては僕はまるで異存はないんだけど、
藤尾慎一郎に軽く痛い点を指摘された。
未発表遺跡・資料も多く含んでいるので引用・転載はできないので
僕の要約になるが、
・東北で大洞式の出現=日本全土で晩期突入
・九州で水田稲作開始≠日本全土で弥生時代突入
という点である。
確かに藤尾の指摘する点はある種の矛盾を含んでいるが、
僕はそれでも構わないんじゃないかと思う。
(縄文)晩期とは所謂"年代的組織"の大別であり、
それ自身に編年の単位としての意味以外は持っていない。
しかし弥生時代とは稲作農耕をはじめとしてチーフダムとか、
時代と規定する様々な要因を持っている。
そういった分類のための単位と本質的に分けられた単位を同列に語ることはできないだろう。


(2)土器編年編に続く...
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